Wバフェット氏が新たに投資、米国「アルタ・ビューティー」のコンテンツ戦略

「アルタビューティー」Instagramアカウントで強い意志を表明

次にInstagramアカウントを見てみましょう。
現在フォロワー数は723万人、競合のセフォラのフォロワーが2240万人ですが、セフォラは35カ国、2600カ所以上ということを考慮すると、アルタビューティーの723万人はかなりの数と言えます。
アカウントページを開くと、最初に目に飛び込んでくるのが、Instagramのトップに固定された“Hate has no home here” というメッセージ投稿です。「ここは憎しみあう場所ではない」と題されたアルタビューティーの人種差別や性差別に対する強い信念です。
この投稿は2021年3月25日に投稿され、以来現時点(24年8月)に至るまで、ずっとInstagramのアカウントトップに固定されています。内容は下記の通りです。



Hate has no home here. The content we share in this community is meant to inform, inspire and uplift ALL beauty lovers.
Over the past few months, we’ve noticed an uptick in harmful comments towards the appearance and identities of the content creators we feature, and more broadly within the discussions that emerge across content we share.
Remember, there is someone real on the receiving end of a hateful comment.
Ask yourself: is this comment providing constructive feedback or is it fueling unnecessary, unproductive dialogue?
We embrace and appreciate the diversity of thought within this community. However, if your expressed opinion is explicitly hateful towards someone’s physical traits, gender, sexual, religious or cultural identity, we maintain the right to remove it.
Let’s create meaningful conversations, lift each other up and continue to celebrate each other’s beauty, together.
ここには憎しみあう場所ではありません。このコミュニティで私たちが共有するコンテンツは、すべての美容愛好家に情報を提供し、インスピレーションを与え、高揚させることを目的としています。
過去数か月間、私たちは、私たちが特集しているコンテンツクリエイターの容姿や身元、さらには私たちが共有するコンテンツ全体で発生する議論の中で、有害なコメントが増加していることに気づきました。
憎しみに満ちたコメントを受け取る側には、実際に誰かがいることを忘れないでください。
このコメントは建設的なフィードバックを提供しているのか、それとも不必要で非生産的な対話を促進しているのか、自問してみてください。
私たちはこのコミュニティ内の考え方の多様性を受け入れ、評価しています。ただし、表明された意見が誰かの身体的特徴、性別、性的、宗教的、または文化的アイデンティティに対して明らかに憎悪的なものである場合、当社はそれを削除する権利を保持します。
一緒に有意義な会話を生み出し、お互いを高め合い、お互いの美しさを称賛し続けましょう。

こうしたヘイト発言は、パリオリンピックにおいても問題視されました。今後企業はヘイト発言など、SNSの誹謗中傷などとどう向き合うか?向き合えるのか?が企業の生活者と向き合う力として、必要となります。
コンテンツマーケティング施策によって、ブランドと生活者の距離が今まで以上に近くなると、ブランドに対して、生活者は人間的な振る舞い、人間性を求めるようになります。アルタビューティーは、世界に蔓延る「ヘイト」「差別問題」に真っ向から立ち向かうスタンスをインスタグラムのトップコンテンツで表明することで「人間性」「正義感」を強く表明し、共感を得ているのです。彼らはコンテンツマーケティングによって、商品やサービスだけでなく、企業の人格そのものも表現しているのです。

彼らのインスタグラムの投稿はTikTokほどではないものの、ほぼ毎日投稿されています。インフルエンサーの投稿や、コスメブランドとのコンテンツを介したストーリーを展開するなど、魅力的なコンテンツが展開されています。また公式アカウントトップからのリンクは、TikTokからのリンク同様の共通の中間ページを挟んでおり、そこからECサイトへ誘導しています。生活者のコメントに対してもTikTok同様にアルタビューティーからコメント返答しています。
彼らのインスタグラムは、ブランドファンの集まる場であり、ファンがこのブランドへのロイヤリティを確認する場でもあるようです。5Aのカスタマージャーニーにおける「推奨」育成をかなり意識したコンテンツ、アカウント戦略と見受けられます。

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